2017年4月15日土曜日

頭部外傷 ~スポーツにおける脳震盪を中心に~  No.3

頭部外傷を理解する前に、頭部の構造を抑えておきましょう。

外層から、頭皮腱膜骨膜頭蓋骨髄膜硬膜くも膜軟膜)、となる。
・頭皮・・・・頭皮も基本的には他の部位の皮膚と同じく表皮、真皮、皮下組織の3層から
       なり、頭髪への血液供給の為、真皮層の血管が豊富。

・腱膜・・・・下の図には腱膜とありますが、頭頂部における断面の為、帽状腱膜の事を
       表していて、場所によっては筋肉の場合もある。

・骨膜・・・・頭蓋骨を覆う膜。

・頭蓋骨・・・耳の中にある耳小骨を含めると18種29個の骨からなる。
       このうち脳の収納に関する脳頭蓋は6種8個、顔に関する顔面頭蓋は9種
       15個の骨からなる。

・髄膜・・・・硬膜、くも膜、軟膜の3層からなり、脳から脊髄まで覆っている。

・硬膜・・・・内葉と外葉の2層から形成される静脈洞に頭蓋骨や頭皮、脳を栄養した
       静脈血やくも膜顆粒を介して脳脊髄液が流れ込む。
       また左右の大脳半球を隔てる大脳鎌、左右の小脳半球を隔てる小脳鎌、
       大脳と小脳を隔てる小脳テントも硬膜の一部。

・くも膜・・・くも膜と軟膜との間(くも膜下腔)には、くも膜の名前の由来となった
       くもの巣のように見えるくも膜小柱で支えられていて、脳の栄養血管で
       ある動脈が走る。
       また脳は、脳室にある脈絡叢で作られる無色透明の脳脊髄液に満たされて
       いる事によって、髄膜の中で浮いている状態になっていて、外部環境の
       変化や衝撃から守られている。

・軟膜・・・・外側の上軟膜層と内側の内軟膜の2層からなる。
       薄い網状の膜で脳の表面に密着していて、脳の溝の中に入り込んでいる。

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