このMERSとは、2012年にサウジアラビアで初めて同定され、中東地域で多く報告されている新規のマーズコロナウイルス(MERS‐CoV)によって起こるウイルス性の疾患です。
*2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)の原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが、SARSとMERSは異なります。
主な症状は、発熱、咳、息切れなどの呼吸器系の症状ですが、下痢などの消化器系の症状を伴う場合もあります。
MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。
MERS患者の致死率は約36%とSARSの約9%と比較してもかなり高い致死率と言えます。
現在、感染者の大部分はヒト―ヒト感染ですが、ラクダがウイルスの重要な保有宿主であり、ヒトへのMERS感染の動物感染源と考えられています。
しかし、ラクダによる感染の正確な役割は解明されていませんが、現段階での感染経路は、飛沫感染や接触感染と考えられています。
現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
対策としては、感染しても発症しないよう免疫力を上げる為に、まずは体調を崩さないように気を付けましょう。
<NIID 国立感染症研究所のHPより>
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