2015年6月5日金曜日

中東呼吸器症候群(MERS)とは?

ここ最近、中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)が話題となり、韓国においては、6月5日現在4人の死者が出たと報告されています。

このMERSとは、2012年にサウジアラビアで初めて同定され、中東地域で多く報告されている新規のマーズコロナウイルス(MERS‐CoV)によって起こるウイルス性の疾患です。
*2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndromeの原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが、SARSとMERSは異なります。

主な症状は、発熱、咳、息切れなどの呼吸器系の症状ですが、下痢などの消化器系の症状を伴う場合もあります。
MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。

MERS患者の致死率は約36%とSARSの約9%と比較してもかなり高い致死率と言えます。
現在、感染者の大部分はヒト―ヒト感染ですが、ラクダがウイルスの重要な保有宿主であり、ヒトへのMERS感染の動物感染源と考えられています。
しかし、ラクダによる感染の正確な役割は解明されていませんが、現段階での感染経路は、飛沫感染接触感染と考えられています。

現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
対策としては、感染しても発症しないよう免疫力を上げる為に、まずは体調を崩さないように気を付けましょう。

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