2015年6月30日火曜日

閏(うるう)秒って何?

明日、2015年7月1日の8時59分60秒がやって来ます。

4年に一度やって来る『閏年』は聞き慣れた感じがしますが、『閏秒』はあまり馴染みがありませんね。
前回は3年前の2012年7月1日でした。

そもそも閏秒という概念が現れたのは、正式名称を『原子周波数標準器』と言う原子時計が開発され、1967年に『セシウム原子が91億9263万1770回振動する時間』を1秒と定義されてからです。


本来、地球の自転の速度にはムラがあり、常に一定の速度で回転している訳ではありません。
大気の動きや潮汐、地球内部のマントルの影響などが原因と言われていて、地球の回転が速い状態が続いたり、また遅い状態が続いたりした場合に、
地球の自転1回を1日とする『天文時』と『原子時』差を調整する為に、閏秒による調整が行われます。
つまり、地球の自転の速度が遅い場合は閏秒を『挿入』して、回転速度が速い場合は閏秒を『削除』して調整する訳ですが、1972年~2012年までに行われた25回の閏秒調整はいずれも『挿入』でした。

この閏秒を巡っては、存続なのか廃止なのか様々な議論が行われており、2015年11月には世界無線通信会議(WRC:World Radio communication Conference)が予定され、閏秒についての議論は、この会議で最終的な方向性が示される見込みのようです。
仮に廃止が決まった場合でも、猶予期間の関係上、最速での廃止時期は2022年となります。

2015年6月23日火曜日

本格的な夏を前にヤマモモは如何ですか?

昨日は、二十四節気の『夏至』でした。
一年の中で最も日照時間が長い時期です。
まだ1ヶ月くらいは梅雨が続きますが、梅雨が明ければ本格的な夏がやって来ます。

写真の果実は『ヤマモモ(山桃)』ですが、先日、訪れた養老公園にあった立派な木になっていた物です。
いくつか食べさせて頂きましたが、ほんのり甘酸っぱくて美味しかったです。

ヤマモモは昔から生薬として重宝され、果実は楊梅(ようばい)と言われ、クエン酸が多く疲労回復に有効で、赤い色素成分はアントシアニンなどを含み、抗酸化力が強く眼精疲労など眼科系疾患の改善にも有効とされています。
また樹皮は楊梅皮(ようばいひ)と言われ、タンニンを多く含むので、胃腸の働きを促進して食欲を増進させ、止瀉作用もあります。
消炎作用もあるので、樹皮を乾燥したヨウバイヒ(楊梅皮)を粉末にして、卵白や酢と一緒に練って塗布して、捻挫や打撲、筋肉痛などにも利用されます。
昔は、漁網の強度を高めるために染料として利用されるなど、生活の中の様々な場面でヤマモモが活躍していたようです。

2015年6月5日金曜日

中東呼吸器症候群(MERS)とは?

ここ最近、中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)が話題となり、韓国においては、6月5日現在4人の死者が出たと報告されています。

このMERSとは、2012年にサウジアラビアで初めて同定され、中東地域で多く報告されている新規のマーズコロナウイルス(MERS‐CoV)によって起こるウイルス性の疾患です。
*2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndromeの原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが、SARSとMERSは異なります。

主な症状は、発熱、咳、息切れなどの呼吸器系の症状ですが、下痢などの消化器系の症状を伴う場合もあります。
MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。

MERS患者の致死率は約36%とSARSの約9%と比較してもかなり高い致死率と言えます。
現在、感染者の大部分はヒト―ヒト感染ですが、ラクダがウイルスの重要な保有宿主であり、ヒトへのMERS感染の動物感染源と考えられています。
しかし、ラクダによる感染の正確な役割は解明されていませんが、現段階での感染経路は、飛沫感染接触感染と考えられています。

現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
対策としては、感染しても発症しないよう免疫力を上げる為に、まずは体調を崩さないように気を付けましょう。

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